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不快指数

不快指数と言うものがある。不快指数が100ならば何人が不快になり、不快指数が90
ならば、また何人が不快を感ずる、等と言う宣伝に踊らされてはいけない。

定義を見ても摂氏温度からの換算式しか書いていないことが多い。

そう言えばと思って華氏温度との対照表を作ってみたところ、湿度100%の時の
不快指数は華氏温度と等しいことに気が付いた。

そもそも、華氏とは、人間が生活可能な温度の上限を100度とし、下限を0度とした
ものだから、華氏と不快指数の考え方は同じである。

湿度が100%でなければ、いくらか過ごしやすいと言うのを、華氏に付け加えたのが
不快指数と言う訳である。

その昔、シャーロック・ホームズを読んでいて驚いた。ワトスン博士の叙述中に
「自分はインドで勤務していたので、90度くらいは平気である云々」とあった。
子供心に、いくらなんでも、火傷するわいなあと思ったが、後々振り返ってみる
と、当然これは華氏だった。

華氏で過ごす人々は、人間中心のものさしだから解りやすいと言うそうだ。
フィートも尺も同じような大きさであることからも、人間起源のものさしには
ある種の落ち着きどころがあるようである。

不快指数が華氏温度で定義されているなんて、書いてあるのを見たことがない。
ところで、定義に従えば、摂氏20度以下でも、0度以下でも不快指数を計算
することができる。華氏は人間生活の範囲ではほとんど負の値にならないが、
湿度を差し引いているせいで、さっさと負の値に落ちて行く。その意味でも、
不快指数とは、高温域だけに適用できるものであって、もしかすると、
やはり大英帝国のインド駐留軍あたりが考えたものかも知れないと思ったり
する。


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