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チャーチルの昼寝(J.キャンベル)

「チャーチルの昼寝 人間の体内時計の探求」(J.キャンベル、中島健訳、青土社)を読み直そうと思っている。

「自分のなかに歴史を読む」(阿部謹也)に、中世人には、自我意識がなかったこと、現代の人間と大きく隔たった人々のことを知るのは簡単ではないと記されており、かつて読んだこの本を思い出した。

時間感覚に依存するエピソード記憶と、時間感覚に関連しない意味記憶の存在。そして、時間感覚は、人間に特有であろうと言うこと。そしてまた、時間感覚は後天的に獲得されるものであり、時間感覚=エピソード記憶の蓄積こそが自我の依って立つものであることなど、非常に面白い議論が述べられている。

<引用>
『イーリアス』の中の人物にはたいてい内観がない。
彼らは「座り込んでどうしよう」と考えることなく、
神の声に自分たちの行動を決めてもらうのである。
意識や精神活動を表す語は、この詩の中に何もない。
そして、個人的な時間の感覚、時ー空の脈絡の中に
はめ込まれた内心の物語である個人の過去の生活の
感覚はほとんどない。
</引用>

再び読んでみたのちに、新たな感想を記したい。

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