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今週の戯れ歌

酔ひ酔ひて友としあれば語り合ひて思ひ残せる事のあるまじ

高き酒を仮令飲むとも志の共にしなくば砂と同じき

安酒であれど同じき意を持てる友にしあれば黄金の味せむ

黄金なる酒注ぐ友の居ませまし我が後の世もかくもあれかし

立場なれば若き人には語りせむ役に立つかは疑問なりせど

若者よ年寄りの語るあれこれは聞き流しつつ己が道行け

我もまた人たちのやうに歳をとり同じきやうに繰り言もせむ

目の前を通り過ぎ行く列車あり我が目も今は追ひつかざりける

列車待つホームで煎餅食べる者ちいと遠慮の気配こそせよ

取り立てて注意せむとは思ふまじされどひとこと言いたくもあり

酔ひ酔ひて友と別るるその時はまた逢ふ日をも期せずあるらむ

我が耳の適当なるはよく知りしそんなものとは何時も知れける

昔昔録音機材の悪しかると思ひたるこそごかいなるらむ

ある時は三十一文字の浮かぶらむ然程の意味も絶へて無けれど

闇にあり併走すなる列車あり何処まで我と行を共せむ

うたを詠む人を此の世で見もあらずさういふ人のありしや否や

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