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今週の戯れ歌

昔食べし駅蕎麦の店閉まりける嗚呼あの時に食べてよかつた

様々な事急に昔の事となり取り残されし心地こそあれ

切符買う方法さえも変わりけり昔の技術の役に立たざり

宛もなく列車に乗りて言ふことなし知らぬ景色に喜ばむ我

何処に行けど家の様子の変わらざる土地の色こそ今は消えけり

昔買いし雪だるまなる酒瓶の絶えて見ざるは少し悲しき

綺羅星の如くスパークしながら走り行く新幹線は昭和の思ひ出

人たちの仲良くするを端で見ば己が姿を確かめざらめや

何かにの因果はあつて今のあり省みるのも手遅れなるかな

酒飲めば楽しむべしと思ひあれどさなき心も湧き起こるやらむ

昔見し町の我には冷たかる我また街には冷かりしを

生きるだに我に恥たる事多し生きる我には不可避ならまし

喜ばる事も無き身を隅に置きて走り去る風景をただ見入るなる

世の中に身の置所とてあらぬならば偶の旅こそ気も休まれる

速く行く快速列車を見逃してゆるゆる行くも旅の味なる

昔昔ぼろぼろ宿で合宿し柔らな床に恐れるもあり

日頃見ぬ高校生らの声聞くと日本語ならざる言の葉もあり

遠き国の血を引くならむ子らとても此処で育てば此の辺の子

「相見」駅我を嚇かすその名前相見る事のたへて無ければ

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