今週の戯れ歌
若き日の恥ずべき事らを忘るならば齢とりたるも悪しくあらざり
心あらば我も寂しと思ふらむ心なき身の有り難きかな
寂しさと美しさを混同するな孤独であつても醜はありうる
掃除して時間忘るる事もありもう昼過ぎと飯食べに出る
傘持たず宿を出るこそ運悪しく飲んでるうちに止むも運なれ
宴会でざわめく厨房よそにして腰を据えては酒飲みにける
寒風に膚引き締めし若き日の冬はついぞ無からむ今日びなるらむ
酒飲めば唯寂しさの募りける話を合わす労はすれども
何かにか虚しい言を費やさむ世にあることの虚しくあるなら
慣れぬ人と酒飲むことの虚しかる独りになりて独り飲みけむ
酒飲みて動悸激しき宵もあり我が体内の如何にあるらむ
酒飲めばうたのひとつも詠まずあらず酒飲まざればかくもあらざる
終点の声を聞くなら目も醒めぬ眠り続けて全ての終はりへ
久かたのファミリーレストランの懐かしき老若様々囀るが如し
ファミリーで行動するの稀なれば他所の家族も少し気になり
幼きら喜び食べる姿あれば我が若き日を思ひ出ださむ
古き友と合奏するは良からまし楽器も軽く足を運べる
顧みればあつと言ふ間の子育ても急に終はりぬ呆気なき程
普段行かぬ場にこそあればうたも詠まむ単調な日々を少し破りて