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今週の戯れ歌

ちよいと行く麻酔の旅も味なものさてお帰りは何時になるやら

軽口を叩いてみても謎なるは我が「意識」とは何であるぞや

十秒で意識なくすと医師の言ひ意識なき我我にあらずや

(術後述懐)
麻酔には記憶なければ語り得ず気がつけば我世に戻りたり

手術室の冷たき様も一瞬に気づけば病棟の天井を見る

朦朧と己が鼾の因を探り探りその半分は妄想ならむや

看護師の多く接すは病重し後回しなる我の良きかな

眠れるは病気ならむと母の言ひ今の自分はまさにさうなる

痛みあれば動きひとつが挑戦なる棚からタオル一枚出すのも

昨日は苦痛であった動きさへけふは滑らかなるを喜ぶ

常にありし健康を再び発見すこの有り難みを忘れまいぞ我

無気力の我を襲へる時のあり隙を作らぬやうに生くべし

何時来るか分からぬ事務を待ちながら天井を眺め旅の心地す

退院しグラタン食べて帰宅する意地汚きは我の本性

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