今週の戯れ歌

素晴らしき流星を見て願へるはまた流星にめぐり逢ひたし

切れ切れの記憶を我は繋ぎ止めて何とか自我を保ちつつあり

何事も忘れまいぞと思ひたる我だにかくも忘るれば世人は如何に忘れたるらむ

何言を忘却せしか忘るれば我は自我なく土に戻れる

我もまた土のやうなる心地してあまり悩まず分解還元

練習の録音聴けばしくじるはただ我のみなる心悲しも

ちびちびと我は一献傾けて忘れたくある全て流さむ

良き音で鳴らさむとする機械あれど鳴らする音は自分のへっぽこ

己が音の「良い音」で鳴る悲しさよへんちくりんの限りなりける

何事もなきものと聴くブラームス落つる涙の訳は黙せり

不思議なるは市役所で売るうどんかな少し長くも茹でよとかや知る

名物を贖ふ暇も惜しければ市役所でうどんを買ひて帰れり

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今週の戯れ歌

透き通ほる 冬の夜空に 我が熱が 赤外線として 宇宙に飛びゆく

街角に花束持てる人のありよくよく見れば葱束なるべし

一年の収入額を数へては「いつ」辞めるかを暫し思へる

仕事辞めてまた働くの不安あり野垂れ死にする覚悟はなしや

社保年金自分で払ふの手間を思へば会社にあるは有難かりける

大金を使ふ宛こそ無きならば無為徒食をも思ひ描ける

嘘つきの首相を見ては呆れ果て真面目に生きるのバカらしくなる

奇を衒ひしことありしかど気付けば我は平々たり凡々たり

省みて大なる悪を為さざるは我貧しくも誇りなりける

酔ひて乗る夜の列車の慕わしき我が行く果ての定かならざる

いつか我目的地をも定めずに気ままなる旅せむと心得

人権のあるものの如く生きし我この世にあるの少し難かる

少しずつ人権売りて飯食へど憲法だけは変えさせじと決め

ひと仕事終えて愚痴れる方もなく強き酒飲み憂さを晴らせる

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今週の戯れ歌

忙しき日にはあれども故知らず遠くの駅に佇める我

忙しき日にはあれこそ誰も行かぬ出張行きて忙しさ増す

一時の怠惰を車中で楽しめば再び地獄ぞ我を待つなる

数々の錯誤のありて今のある人を恨まず天を恨まず

思ひをれば「できる」と言ふた己が身の情けなくもあり悲しくもあり

正直に背伸びもせずに生きやうとこの歳になり改めて思ふ

何もなき駅前通りに風の吹きガンマンならで我歩きゆく

啄木の釧路を歩む歴史漫画叙情に満るその味わひは

皆ひとの座れるやうな田舎電車久方ぶりののんびりなるらむ

この後に多忙が待つと知らぬなら喉けからまし田舎電車は

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今週の戯れ歌

ある日には人前で楽器を弾けることもあり満足すべき演奏ならねど

人たちはあえて触れざることもありその 経緯こそよくも知りたる

後になればあれこれ思ふ事もあり先に思はぬは愚かさかりけり

愚かさを数へ上げては忘れけり忘れぬならば生きるは辛かる

乗る汽車はいつか何処かに着きにける我が行く先の何処になるかは

降りる駅を間違へまいと思ひけるいつか寝落ちの危機を覚へつ

後一駅思へる後の危なかるそこで落ちては何のためやら

幼きよりヴァイオリン習ふを羨めど彼らは彼らの悩みあるべし

ふらふらと人に習はずチェロ弾ける我が人生も肯定さるべし

人に習ふ気持ち薄かる我なれど人によりでは師とするもあり

録音を聴いて絶望また絶望諦めざるが唯一の取り柄

録音を聴けば一喜百憂す憎くあるのは録音機かな

数多人の関わる業ぞ素晴らしきそこから漏るる我ぞ悲しき

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今週の戯れ歌

〆切も近き仕事のあるなれば休む余裕のあるを憎めり

〆切を指折り数ふ我なれば切迫せぬを呆れ見てをり

成算のあると思えぬ人ながら算段もせぬ輩憎めり

何事もなく〆切の終はるなれと祈るばかりのこの日々なるらむ

(韮カレーなる美味を食して詠めるうた)
食欲も乏しと思ひてカレー喰めば目の覚めるやうにカレー食べたり

連休に掃除をせるは習ひなり大晦日には掃除せざれれば

我もまた何者ならむと思ひをり名のある人の名を目にすれば

名無きだに悪しき名あるほど悪しからず名無き事をば寿ぎあるべし

酒飲まばうたひとつばかり詠みてけむ無駄に生きたる無駄な戯言

生きるとは足りぬ売上を誤魔化して次は良かれと騙しをること

いついかに良き知らせあると思ひ侘び運の悪いを嘆きもあるなる

酒沁みる冬の夜こそゆかしけれまたこの冬のいくつあるなる

昔昔雪舞う夜に薬缶なる熱き日本酒飲みしことあり

炭で焼く薬缶にありし酒なれば我が腸に沁みも入りなむ

雪の夜の熱燗こそは慕わしき昔昔の札幌の街

中韓の人に優しき人のある日本人のかくもあるべし

善悪は国籍民族関わらず善きは善きなり悪しきは悪しかる

一歳の何とか終はる日も近き今年の我も何も為さざる

何事も為さざるままに日を送り悪しきも為さぬ我で宜しき

やる気ある人々に我は申さざる貴方のやる気は人を傷つく

やる気ある人はどうぞそのままに我に関わる事なく過ごせよ

やる気なき我ではなくもあるけれどやる気あるのは相手選べり

だらだらと働く日々を送るなればしやつきりするのあり得るのかな

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今週の戯れ歌

面白くなき飲み会に出るならばうたのタネでもはつか拾はむ

我の知らぬ原理の世にはあると知れ知りたきことも無かるなれども

理を知らざるままに政を為せる輩ぞ世を乱しをる

世のなべて滅び滅びよ滅びたれ滅び滅びよ我も滅びむ

嘘ついて平気な輩の憎くあり嘘の報ひの早く来るべし

暑き日を過ごせし一日を省みれば「暑し」の他に何もあらざる

なんじやもんじや咲き入る様ぞをかしかり一年一度の大盤振る舞ひ

忙しき仕事の間にはうたを詠み暇なる時にうたの出でざる

生きる為にうた詠むならばうたの為生きるにあらず下手なうたなれ

暖かき一日なれば糠味噌の早く漬かりて早夏来たる

休みとて行く宛とてもなかりけり練習あればもつけの幸ひ

鬱とした気持ちを晴らす術を無み明るきうちより盞を傾く

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今週の戯れ歌

空に浮かぶパンダバルーンを見上げてはスマホを向ける人々数多

愚かなる首相パンダは不要とてイキれど庶民はパンダ愛せる

歴史ある日中友誼の証とてパンダ来たる五十年前

パンダ送られ喜ぶ日々の歴史あり歴史を見ぬは「保守」であらざり

様々な歴史を無視し踏み躙る「保守」とは何ぞ

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今週の戯れ歌

あの人の我を見つめる眼差しは忘れ難かり夢に未だ見ゆ

空疎なる夢のやうなる夢にありてあの人だけは忘れられざる

朧なる昔昔の教室であの人は我に言の葉をかけ

「もしかすると」さう言ひたるを覚へをれどどうなることか覚えてはをらず

いつか我この世の外の思ひ出にこの記憶だけを抱きて罷らむ

楽器弾きて少し思ひを傾けば溢るるまでの限り重ねむ

我ありて独り楽器を弾きてありその余の事は忘れ去るべし

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今週の戯れ歌

入院をさほどの事とは思はねどその前日は眠り難かる

看護師の我が亡き母を覚へをれば我も少しく安らかならまし

亡き母のピンクを好むと聞くならば我の知らざる姿をも知る

病ある人たちの中にあらば我が健康の有難からまし

母と同じ病院・医師で手術をするも面白かるは人生なるかな

本番に穴を開けざる日程で手術をするに頭使へり

病院に新渡戸・賀川の像のあり昔の偉人の少し近しき

いつかゆく道とは兼ねて思へども老いの姿を見るは悲しき

言ひ残す事はさらに無かれども良き人たちに感謝するのみ

初めての全身麻酔を待ちながら暇潰しには三十一文字を

病院の何かにかにとなく落ち着かず呆然とするに都合良きかな

病院で我は優先されぬべきさこそあらむは喜びなるべし

空腹も呆然たるの所以かな本を読むのも気が進まぬなる

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今週の戯れ歌

たまさかに楽器弾く日の悲しけれ思ふところに指の行かねば

自らの身体であれどなかなかに思ふやうには動かざりけれ

ある日には人前で楽器を弾けることもあり満足すべき演奏ならねど

人たちはあえて触れざることもありその 経緯こそよくも知りたる

後になればあれこれ思ふ事もあり先に思はぬは愚かさかりけり

愚かさを数へ上げては忘れけり忘れぬならば生きるは辛かる

乗る汽車はいつか何処かに着きにける我が行く先の何処になるかは

降りる駅を間違へまいと思ひけるいつか寝落ちの危機を覚へつ

後一駅思へる後の危なかるそこで落ちては何のためやら

幼きよりヴァイオリン習ふを羨めど彼らは彼らの悩みあるべし

ふらふらと人に習はずチェロ弾ける我が人生も肯定さるべし

人に習ふ気持ち薄かる我なれど人によりては師とするもあり

録音を聴いて絶望また絶望諦めざるが唯一の取り柄

数多人の関わる業ぞ素晴らしきそこから漏るる我ぞ悲しき

サングラスは悪者なると見覚えし昭和のドラマさてなんだったらう

今もなほサングラス見れば悪者と偏見から逃れぬ昭和の我なる

あまりにも暑くしあれば日ノ本の国にもあらず無為を憎めり

のんびりと「熱中症に気をつけよ」てふ気象予報士に職業倫理なしや

メディアなる人々の無為無責任は未来の人に咎めらるべし

ふと思ふ「おしまいの人間」とは己でないかと気にするだけ野暮かも知れないが

ありのままの自分で良しと言ふなれどありのままでは困るんです今日

コントラバス妻に阿り背負うとも余りの重きに三歩と歩まず

日の本に人としあらば一度は長歌旋頭歌詠みてみたけれ

食べ過ぎで背筋伸びぬと息子言ひそれならあんなに肉を頼むな

美しい「ポジション移動」をしてみたいそもそも美しいとは何かわからぬ

とりたてて味も香りも無かりけり安物売りの特売の海苔

小豆煮る匂いも良かれ秋の風和菓子を買って家に帰ろう

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